坊っちゃんの時代 谷口ジロー 2024.08.24 〈明治〉という時間軸に交錯する群像を、関川夏央の気鋭の原作を得て、名手・谷口ジローが渾身の力で描いた話題作。歴史上の人物たちの同時代的邂逅が意表を突く! レビューを見る 購入・お申し込みはこちら
「多少の縁あるひとを見捨てるは恥です。」「役立とうと思うは義です。」 舞台は明治(末期)。登場人物は夏目漱石、森鴎外、石川啄木、幸徳秋水、管野須賀子、二葉亭四迷をはじめとした明治の文学者・思想家たち。それぞれの生きる明治の世相が、時に痛快に、時に物悲しく描かれています。 登場人物の一言一言が重く深く響く、関川夏央・谷口ジローによる劇画的、というか映画的な超名作です。
晩年の夏目漱石を中心に、これまでの総まとめのような1巻。元々「坂の上の雲」で触れたあの時代を文化人側の視点で知りたいと思って読み始めた作品だったが、満足な仕上がりでした。ただ、漢詩や当時の言葉遣いは意味が頭に入ってこないところも多く、その辺は適当に読み飛ばしてしまいました。機会があれば、もう一度くらい読み通してみよう、うん。
漱石の晩年を幻想と共に描写 明治四十三年八月の大病で生死を彷徨う漱石と、明治に活躍する人々を引き合わせ、「坊ちゃん」の時代を総括する。 啄木が、「つね日頃好みて言いし革命の語をつつしみて秋に入れりけり」と詠んだとおり、大逆事件以後、官僚組織は軍部、これも官僚組織だが、と一緒に、御簾の向こう側に隠れて、あんなこともこんなこともやってしまい、日本を秋どころか冬に向かわせてしまう。 この巻では、漱石が「日本は滅びる」と言い、啄木が「日本は駄目だ」と言う。滅びるのも駄目なのも軽躁な国民の所為ではなく、特定の人々では、と思いたいが、今や特定は遍在するかのような気配だ。 いやいや、そうではない。それだからこそ「見よ今日もかの蒼空に飛行機の高く飛べるを」啄木最後の句の通り、未来に希望を持ち、現実を「懐手にして小さく暮らし」ていきたいものだ。勿論、そう言う漱石が博士号を受け取らなかったように、官に寄らず、無用の人が無用の道を貫いたように、猫を懐いて。 傑作の連作、完結。
「多少の縁あるひとを見捨てるは恥です。」「役立とうと思うは義です。」 舞台は明治(末期)。登場人物は夏目漱石、森鴎外、石川啄木、幸徳秋水、管野須賀子、二葉亭四迷をはじめとした明治の文学者・思想家たち。それぞれの生きる明治の世相が、時に痛快に、時に物悲しく描かれています。 登場人物の一言一言が重く深く響く、関川夏央・谷口ジローによる劇画的、というか映画的な超名作です。
漱石の晩年を幻想と共に描写 明治四十三年八月の大病で生死を彷徨う漱石と、明治に活躍する人々を引き合わせ、「坊ちゃん」の時代を総括する。 啄木が、「つね日頃好みて言いし革命の語をつつしみて秋に入れりけり」と詠んだとおり、大逆事件以後、官僚組織は軍部、これも官僚組織だが、と一緒に、御簾の向こう側に隠れて、あんなこともこんなこともやってしまい、日本を秋どころか冬に向かわせてしまう。 この巻では、漱石が「日本は滅びる」と言い、啄木が「日本は駄目だ」と言う。滅びるのも駄目なのも軽躁な国民の所為ではなく、特定の人々では、と思いたいが、今や特定は遍在するかのような気配だ。 いやいや、そうではない。それだからこそ「見よ今日もかの蒼空に飛行機の高く飛べるを」啄木最後の句の通り、未来に希望を持ち、現実を「懐手にして小さく暮らし」ていきたいものだ。勿論、そう言う漱石が博士号を受け取らなかったように、官に寄らず、無用の人が無用の道を貫いたように、猫を懐いて。 傑作の連作、完結。
晩年の夏目漱石を中心に、これまでの総まとめのような1巻。元々「坂の上の雲」で触れたあの時代を文化人側の視点で知りたいと思って読み始めた作品だったが、満足な仕上がりでした。ただ、漢詩や当時の言葉遣いは意味が頭に入ってこないところも多く、その辺は適当に読み飛ばしてしまいました。機会があれば、もう一度くらい読み通してみよう、うん。
漱石の晩年を幻想と共に描写 明治四十三年八月の大病で生死を彷徨う漱石と、明治に活躍する人々を引き合わせ、「坊ちゃん」の時代を総括する。 啄木が、「つね日頃好みて言いし革命の語をつつしみて秋に入れりけり」と詠んだとおり、大逆事件以後、官僚組織は軍部、これも官僚組織だが、と一緒に、御簾の向こう側に隠れて、あんなこともこんなこともやってしまい、日本を秋どころか冬に向かわせてしまう。 この巻では、漱石が「日本は滅びる」と言い、啄木が「日本は駄目だ」と言う。滅びるのも駄目なのも軽躁な国民の所為ではなく、特定の人々では、と思いたいが、今や特定は遍在するかのような気配だ。 いやいや、そうではない。それだからこそ「見よ今日もかの蒼空に飛行機の高く飛べるを」啄木最後の句の通り、未来に希望を持ち、現実を「懐手にして小さく暮らし」ていきたいものだ。勿論、そう言う漱石が博士号を受け取らなかったように、官に寄らず、無用の人が無用の道を貫いたように、猫を懐いて。 傑作の連作、完結。
「多少の縁あるひとを見捨てるは恥です。」「役立とうと思うは義です。」 舞台は明治(末期)。登場人物は夏目漱石、森鴎外、石川啄木、幸徳秋水、管野須賀子、二葉亭四迷をはじめとした明治の文学者・思想家たち。それぞれの生きる明治の世相が、時に痛快に、時に物悲しく描かれています。 登場人物の一言一言が重く深く響く、関川夏央・谷口ジローによる劇画的、というか映画的な超名作です。
晩年の夏目漱石を中心に、これまでの総まとめのような1巻。元々「坂の上の雲」で触れたあの時代を文化人側の視点で知りたいと思って読み始めた作品だったが、満足な仕上がりでした。ただ、漢詩や当時の言葉遣いは意味が頭に入ってこないところも多く、その辺は適当に読み飛ばしてしまいました。機会があれば、もう一度くらい読み通してみよう、うん。
コメント
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「役立とうと思うは義です。
」
舞台は明治(末期)。
登場人物は夏目漱石、森鴎外、石川啄木、幸徳秋水、管野須賀子、二葉亭四迷をはじめとした明治の文学者・思想家たち。
それぞれの生きる明治の世相が、時に痛快に、時に物悲しく描かれています。
登場人物の一言一言が重く深く響く、関川夏央・谷口ジローによる劇画的、というか映画的な超名作です。
繰り返し
何度か読む
漫画になりそうだ
円頓寺商店街本のさんぽみち内
オヨヨ書林にて購入
元々「坂の上の雲」で触れたあの時代を文化人側の視点で知りたいと思って読み始めた作品だったが、満足な仕上がりでした。
ただ、漢詩や当時の言葉遣いは意味が頭に入ってこないところも多く、その辺は適当に読み飛ばしてしまいました。
機会があれば、もう一度くらい読み通してみよう、うん。
主人公はふたたび夏目漱石に戻る。
伊豆修善寺で死にかけた漱石。
幻想の中で明治という時代を振り返る。
(2010年01月12日読了)
漫画と侮るなかれ。
創生期の日本文学界を理解できる作品といえる。
明治四十三年八月の大病で生死を彷徨う漱石と、明治に活躍する人々を引き合わせ、「坊ちゃん」の時代を総括する。
啄木が、「つね日頃好みて言いし革命の語をつつしみて秋に入れりけり」と詠んだとおり、大逆事件以後、官僚組織は軍部、これも官僚組織だが、と一緒に、御簾の向こう側に隠れて、あんなこともこんなこともやってしまい、日本を秋どころか冬に向かわせてしまう。
この巻では、漱石が「日本は滅びる」と言い、啄木が「日本は駄目だ」と言う。
滅びるのも駄目なのも軽躁な国民の所為ではなく、特定の人々では、と思いたいが、今や特定は遍在するかのような気配だ。
いやいや、そうではない。
それだからこそ「見よ今日もかの蒼空に飛行機の高く飛べるを」啄木最後の句の通り、未来に希望を持ち、現実を「懐手にして小さく暮らし」ていきたいものだ。
勿論、そう言う漱石が博士号を受け取らなかったように、官に寄らず、無用の人が無用の道を貫いたように、猫を懐いて。
傑作の連作、完結。
文学をコミックで読んだ気になってしまう?そして文学にまた、旅に出ようという気になる。
文学をコミックで読んだ気になってしまう?そして文学にまた、旅に出ようという気になる。
」
「役立とうと思うは義です。
」
舞台は明治(末期)。
登場人物は夏目漱石、森鴎外、石川啄木、幸徳秋水、管野須賀子、二葉亭四迷をはじめとした明治の文学者・思想家たち。
それぞれの生きる明治の世相が、時に痛快に、時に物悲しく描かれています。
登場人物の一言一言が重く深く響く、関川夏央・谷口ジローによる劇画的、というか映画的な超名作です。
明治四十三年八月の大病で生死を彷徨う漱石と、明治に活躍する人々を引き合わせ、「坊ちゃん」の時代を総括する。
啄木が、「つね日頃好みて言いし革命の語をつつしみて秋に入れりけり」と詠んだとおり、大逆事件以後、官僚組織は軍部、これも官僚組織だが、と一緒に、御簾の向こう側に隠れて、あんなこともこんなこともやってしまい、日本を秋どころか冬に向かわせてしまう。
この巻では、漱石が「日本は滅びる」と言い、啄木が「日本は駄目だ」と言う。
滅びるのも駄目なのも軽躁な国民の所為ではなく、特定の人々では、と思いたいが、今や特定は遍在するかのような気配だ。
いやいや、そうではない。
それだからこそ「見よ今日もかの蒼空に飛行機の高く飛べるを」啄木最後の句の通り、未来に希望を持ち、現実を「懐手にして小さく暮らし」ていきたいものだ。
勿論、そう言う漱石が博士号を受け取らなかったように、官に寄らず、無用の人が無用の道を貫いたように、猫を懐いて。
傑作の連作、完結。
主人公はふたたび夏目漱石に戻る。
伊豆修善寺で死にかけた漱石。
幻想の中で明治という時代を振り返る。
(2010年01月12日読了)
元々「坂の上の雲」で触れたあの時代を文化人側の視点で知りたいと思って読み始めた作品だったが、満足な仕上がりでした。
ただ、漢詩や当時の言葉遣いは意味が頭に入ってこないところも多く、その辺は適当に読み飛ばしてしまいました。
機会があれば、もう一度くらい読み通してみよう、うん。
繰り返し
何度か読む
漫画になりそうだ
円頓寺商店街本のさんぽみち内
オヨヨ書林にて購入
漫画と侮るなかれ。
創生期の日本文学界を理解できる作品といえる。
繰り返し
何度か読む
漫画になりそうだ
円頓寺商店街本のさんぽみち内
オヨヨ書林にて購入
明治四十三年八月の大病で生死を彷徨う漱石と、明治に活躍する人々を引き合わせ、「坊ちゃん」の時代を総括する。
啄木が、「つね日頃好みて言いし革命の語をつつしみて秋に入れりけり」と詠んだとおり、大逆事件以後、官僚組織は軍部、これも官僚組織だが、と一緒に、御簾の向こう側に隠れて、あんなこともこんなこともやってしまい、日本を秋どころか冬に向かわせてしまう。
この巻では、漱石が「日本は滅びる」と言い、啄木が「日本は駄目だ」と言う。
滅びるのも駄目なのも軽躁な国民の所為ではなく、特定の人々では、と思いたいが、今や特定は遍在するかのような気配だ。
いやいや、そうではない。
それだからこそ「見よ今日もかの蒼空に飛行機の高く飛べるを」啄木最後の句の通り、未来に希望を持ち、現実を「懐手にして小さく暮らし」ていきたいものだ。
勿論、そう言う漱石が博士号を受け取らなかったように、官に寄らず、無用の人が無用の道を貫いたように、猫を懐いて。
傑作の連作、完結。
漫画と侮るなかれ。
創生期の日本文学界を理解できる作品といえる。
」
「役立とうと思うは義です。
」
舞台は明治(末期)。
登場人物は夏目漱石、森鴎外、石川啄木、幸徳秋水、管野須賀子、二葉亭四迷をはじめとした明治の文学者・思想家たち。
それぞれの生きる明治の世相が、時に痛快に、時に物悲しく描かれています。
登場人物の一言一言が重く深く響く、関川夏央・谷口ジローによる劇画的、というか映画的な超名作です。
元々「坂の上の雲」で触れたあの時代を文化人側の視点で知りたいと思って読み始めた作品だったが、満足な仕上がりでした。
ただ、漢詩や当時の言葉遣いは意味が頭に入ってこないところも多く、その辺は適当に読み飛ばしてしまいました。
機会があれば、もう一度くらい読み通してみよう、うん。
主人公はふたたび夏目漱石に戻る。
伊豆修善寺で死にかけた漱石。
幻想の中で明治という時代を振り返る。
(2010年01月12日読了)